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〜私達の「歩行」のメカニズム〜
私たち人間の足は各足、「26本の骨、19本の筋肉、107本のじん帯、そして30ヶ所の関節」から成ってます。私達の歩行時の足の状態には大きく分けて2種類あり、この2つの形態を交互に繰り返しながら我々の「歩行」というものが可能になっています。
1つ目のタイプは、「柔かい足」(フレキシブルフット)で、コンクリートや山岳など歩く地面に合わせて転ばずに歩けるように、足の多数の小さな骨どうしが離れあい、個々の骨が違うようにフレキシブルに動き回れる、足の関節に鍵がかかっていない状態の「柔かい足」です。
一方、2つ目のタイプは、「硬い足」(リジッドフット)で、足の関節どうしが互いに接近し合い、小さな足の骨の数々が一丸となり、1つの大きな骨として、体重や地面からの強いショックにも耐えられるように動かないよう固定しあった状態の「硬い足」です。
この2局面を歩行中になんども交互にくりかえして、いわば足の関節に『鍵』を掛けて「硬い足」にしたり、『鍵』を外して「柔らかい足」にしたりということを繰り返し、私達の「歩行」というものが可能になっています。
例えば、登山などで山岳のごつごつした道を歩いたり、平たい整備されたコンクリートの上などを歩いたり、我々の歩く地面の体形は常に変わります。こういった変形する地面の上をつまづかずに歩けるようにするためには、足の関節も地面の形にあわせて変形しながら動かなければなりません。つまり、このときの足の関節は『鍵』がかかっていない状態、つまり柔軟な「柔かい足」になっていないといけません。ただ、この時の足は、関節どおしがリラックスしていて個々の小さい骨が散らばっている為、ショックに弱く、とても「不安定」な状態です。
一方、違った形の地面に対応できる「柔らかい足」の構造が必要なのと同じくらい、「硬い足」もまた歩行中に必要になってきます。例えば、体全体の体重を支えている足を持ち上げて、かかとが地面を蹴るときには、リラックスしていた後方部のかかとの関節構造に一気に『鍵』をかけて地面からの強いショックに耐えられる「硬い足」にすばやく変わる必要があります。このときの足は関節が互いに動かないように、岩石のように強固な足なので、とても「安定した」状態です。
「歩行の1サイクル」(約1秒間)をスローモーションで見て分類して見ると上のように4つあり、1)かかとが地面に着いた状態(HS)、2)足全体が地面に着いた状態(FFL)、3)足の前方に体重をかけ、つま先立ちしている状態(HL)、そして4)つま先で地面を蹴る状態(TO)の4つの局面があります。体重の重心はAからHのように流れていきます。正常な足では、HSからFFLの間には「柔かい足」、そしてFFLからTOの間は「硬い足」になっています。
この一秒間の間に「硬い足」、「柔かい足」の構造のどちらにも、素早く切り替われるように『鍵』のロックのスイッチを素早く「オン」にしたり「オフ」にしたりできる「タイミング感」に優れた「賢い」足が歩行時に必要になってきます。しかし、このタイミングが「鈍い」人の足があります。特に、『鍵』を掛けなければいけないときにまだのんびりとリラックスしてしまっていてリラックスしたまま、地面を蹴ってしまい、骨に大変ショックがかかる「偏平足」の足が代表的なものです。この場合、毎日こういう悪いタイミングで人間一日平均徒歩数、15,000歩もこの状態で歩いて足にダメージを加えていれば、勿論支障が出てきて遅かれ早かれ足が痛みだしてくるのも納得です。
歩行の足の2相面のタイミングが少しでもずれると、体重やショックを受け入れる準備ができていない「柔らかい足」の時に、体重や地面からのショックが一気にかかってきてしまいます。ですから足並みのタイミングが不正常な方の足では、足の関節どうしが固定しないで散らばってリラックスしている、とても「不安定な足」の状態の時に体重がのしかかり、このショックで骨が動いてはいけない方に無理やり動かされてしまったりして、足に少しずつ負担をかけていきます。「外反母趾」もこういった過程を繰り返し発生し、悪化していきます。これに加えて、先のとがった靴などを履いているとさらに悪化度が早くなります。特に、こうした毎日の悪いタイミングの歩行で、かつ靴を履きながら、「一日平均15,000歩」ものステップを平均の人間は毎日繰り返しているわけですから、数ヶ月にして外反母趾が目に見えて悪化してくるという患者さんが多い理由もこれを読むと納得できるでしょう。
何年もこういう状態が続いたまま放置していると、自然と体もその不自然な動きに順応しようとしてきます。また上述の「不安定な足」であったり、ハイヒールなどの履きすぎで「前方の足に体重の重心がかかった足」または、「足底が単に薄い靴」で地面から跳ね返ってくるくるかかとへのショックの吸収ができない靴であれば、その体重やショックが一部分のエリアにかかりすぎて、その部分に「たこ」やかかとに「分散たこ」(かかと全体の皮膚が厚くなり粗く黄色く硬くなる)ができます。足にかかるショックといえば、一日の平均15,000歩という徒歩数からくる負担だけでなく、「歩行時」は体重分のショックが足にかかり、「走行時」には、[自分の体重x3−4倍〕のショック、バスケットなどスポーツの「ジャンプ時」に地面から足が受けるショックはなんと[自分の体重x5−8倍〕のショックにもなります。
「たこ」はハイプレッシャーのかかったところにでき、歩行の一歩一歩のたび(x一日15,000回!)にくる地面からの摩擦力、ショックによる「刺激、痛み」をその部分に感じさせず歩けるようにと、体がその「刺激や痛み」から守ろうとして、そのハイプレッシャーのところの皮の細胞分裂を特に早くし、皮を厚くした結果できるもので、実は「たこ」は足が「刺激、痛み」を感じないようにしてくれているいわば、「体の自己防御」の結晶?(結果)ですから、「たこ」を削っているだけでは根本的な治療になりません。足底板でハイプレッシャーのエリアを分散させて、歩行中、足全体に均一にバランスがかかるようにしてあげなければ、削っても削っても「たこ」は消えません。こういう何(十)年間も前から起こり始めていた、このゆっくりとした体の順応に気づかずに、「たこ」、「外反母趾」などの痛みの症状が出るまで、足のことは気にも留めずにほとんどの人は過ごしてしまっています。
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